Episodes Japanese

ロックしてます

すっかりご無沙汰してしまいましたが、みなさまお元気でしょうか?日本は週末お花見だったようですね〜ハンプトンズもビーチではコートが必要ですが、昨日はトレーナーで犬の散歩ができました。

冬の間の1月から2月は普通プロジェクトが少なくて仕事をしていないこともあり、かなり気分が暗く落ち込みやすい時期なのですが、今年は二年前から始まった毎年11月恒例のファンタジー女子バンド対決(The Battle of the Fantacy Girl Bandを訳してみましたが、いかがでしょう??)が2月に延びてその練習に夢中になっていたおかげで知らずに乗り越えました。何もしないで家にいると、暗くなりがちですよね。

ハンプトンズを訪れる人たちから、「冬は何もすることないんじゃない?」とか、「コスチュームの仕事なんてあまりないでしょう?」なんて言われることがありますが、実は冬でも楽しいイベントが沢山あるのです。アーティストの多いコミュニティーなので、仕事も選ばなければ沢山依頼を頂けるし、良いショーやコンサートで盛り沢山。その一つが三年前に始まった、このバンドバトル。

私も以前仕事をしたことがある、地元のシアターグループ、ネオ・ポリティカル・カウガールズのためのチャリティーとして、友達でアーティストのクリスティンと、誰よりも友達の多いホーリーのアイディアでスタートした、すごく楽しいイベント。”ファンタジー”と名付けられたとおり、一度も楽器を手に取したことのないようなママさん同士で結成された超アマチュアバンドが、アマガンセットにあるライブハウス(注:造語)、スティーヴン・トークハウスで一曲ずつ演奏するのです。

バレエで知り合ったホーリーから、最初の年に彼女のバンドでベースを弾いてくれないかと誘われて以来仲良くなった。高校時代ロック部で女の子だけのバンドCherry Icecreamでベーシストだったことを話すと、「じゃあ絶対参加しなきゃ!あなたのためにあるみたいな感じじゃない!?」とホーリー。そういえば当時ファッションもそれなりな格好を楽しんでいて、人から「ロックやってます、って感じだね!」なんて言われるのが嬉しかったっけ。それにしたって三十年前に文化祭で演奏して以来ベースを触っていない私が、ショーの数日前に知らない曲をマスターするなんて無理。しかも『くるみ割り人形』の仕事真っ只中。残念だけど断った。

それならカラオケだけでも、とホーリーに乗せられて、私の18番(英訳するにあたりグーグルしたら、歌舞伎に由来するらしい)で、グリースのサントラから、オリビア・ニュートン・ジョンの『愛すれど悲し』(そんな邦題でしたか)を私のデザインしたチュールのスカートをはいて歌い、けっこうウケがよかったので、翌年に向けてすっかりやる気になった。

それ以来ホーリーのいくつもある友達の輪に、気づくと私も入ってました。みんな子供のいるママさんだけれど、仕事もしっかりして、かつ女友達と楽しむこともできる素敵な女性たち。それ以来そのスーパーウーマンたちとちょくちょく集まっては飲みに行ったり、踊りに行ったりと楽しんでいます。次回は今月13日にあるインドのボリウッドダンスパーティー。踊り方を知らなくても楽しめます!

翌年は早々にホーリーに誘われ、Bow Wow Wow のI Want Candyで久々にベースを弾いた。バンドメンバーのステージ・コスチュームは私のワードローブでカッコ良くスタイリング。演奏はそれほど上手くなかったけれど、みんな同じようなレベルだから楽しめればよし。ただ、バレエの仕事のストレスに加え、私がコスチュームデザインした映画『ビーチハウス』がイタリアのラベンナの映画祭に受け入れられて、急遽イタリアへ短期旅行した疲れも手伝って、またしても恐ろしい偏頭痛の発作が起こってしまった。ドラムが頭に響いて激痛と吐き気でリハーサルにならなかったので辛かったけど、ギタリストのジョーリーがアーユルヴェーダのオイル・マッサージをしてくれたりして、みんなに支えられて演奏できました。

今年もホーリーのバンドで演奏できると思いきや、少しでも多くのバンドが結成されるようにと解散させられた。それなら好きなニューウェイブを演奏してくれるメンバーを探そうと、The Cherry Bombを結成したまではよかったけれど、メンバーはみんな仕事が忙しかったり、ホリデーシーズンでスキー旅行とか、子供が風邪をひいたりと、なかなかメンバー全員が集まれなかった。それでもまたカッコイイ新しい友達が三人できたし、一ヶ月ちょっとのロッカー生活は本当に楽しかった。リーダー役は楽じゃなかったけど、自分の職人気質のこだわりを捨てられないところ、真面目すぎるところ、(今はそんな自分も気に入ってます!)コミュニケーションの難しさなど学ぶところがありました。

ショーは入れずに諦めて帰った友達や家族(オット含む)が沢山出たほどの大盛況で、チェリー・ボムズが演奏したブロンディのコール・ミー(中学でも演奏した)はどのバンドよりしっかり演奏できたと思う!かなり真剣にベースを練習して弾いたので、遠くから私の演奏を聴きに来てくれた友達のマキシーンとダンナさまでミュージシャンのトムを含めた三人のプロから褒められた。トムはキーボードを貸してくれていたけれど、キーボードプレーヤーがヴィンテージを壊したくないからと、当日使わないことになって残念だった。この夜からたった一ヶ月ちょっと過ぎた頃、トムが亡くなってしまった。肺線維症がどんどん悪くなって酸素ボンベを担いでまで私のために来てくれたことは生涯忘れない‥。返し損なっていたキーボードは形見に頂けることになってしまった。トムのことは次回お話ししたいと思う。

今回のバンド体験があまりにも楽しかったせいか、みんなすでに次回の練習を始めたらしい。チェリー・ボムズも同様。残念ながらメンバーのやりたいポップな曲にどうしても馴染めないので、悲しいけれど私は脱解してしまった。他の友達のバンドふたグループからベースの腕を見込まれてお誘いを受けていたので、そのひとつのザ・スロッツに参加して、この夏別のイベントで演奏することになった。二曲あるうちの一曲は、折しもトムのキーボードの60年代なサウンドにパーフェクトだとトムに言われてた曲だったので、キーボードを担当させてもらうことにした。この他にも、動物愛護のグループ支援のために、別のグループをまとめて一曲初レコーディングというエキサイティングな予定もある。

バンド楽しいですよ〜みなさんもお住まいの地域でロックされると良いと思います!ジャズとか、クラシックでもいいですね。さて、練習の時間です!

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